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PS3『ドラゴンクエストヒーローズ』レビュー。「夢を叶える一作」。

 テレビゲームをやりたい! しかも国産ゲーム! リアル路線よりキャラクターものを! というわけで、ずっと発売を待ち望んでいた『ドラゴンクエストヒーローズ』を購入しました。PS4は持っていないので、PS3版です。

 で、早速、プレイしてみたわけなのですが――お、面白い! 発売前には『ドラクエ無双』と呼ばれていたようですが、ぼくは無双シリーズをプレイしたことがないので比較しての評価はできません。

 しかし、一本の『ドラゴンクエスト』としては、十分に満足できる出来かと。まさに『ドラクエ』ファンの夢を叶える一作となっています。

 いや、ほんと、こんな『ドラクエ』がプレイできるのは幸せというほかない。まあ、『ドラクエ』に思い入れがない人がプレイして面白いかどうかはわからないけれど、端から端まで『ドラゴンクエスト』のアトモスフィアに満ちた世界を冒険してまわる展開は、それだけで十分に楽しく面白い。

 いうまでもなく『ドラクエ』は日本で最大の人気を誇るロールプレイングゲームです。世界的に見ればもっとヒットしている作品はいくらでもあるだろうけれど、この極東の島国においては驚異的としかいいようがない人気を誇る作品であるわけです。

 シリーズ全10作を数えるに至ったいまなお、その覇権は続いているわけですが、スクウェアとエニックスが合併してからの最近作には物足りないものを感じていた人も多かったのでは。

 何といってもグラフィックの面での進歩が止まってしまっているに等しく、平均的なRPGと比べてもさほどインパクトのある作品ではなくなった状況が長く続いていました。

 まあ個人的な評価になりますが、7、8、9、10と、洗練されたゲームシステムこそ魅力的であるものの、衝撃を感じるような何かは特になかった。

 いまさら『ドラクエ』にそれを求めるほうが間違えているのかな、と思っていたのですが――だがしかし。『ドラクエ無双』、じゃない『ドラクエヒーローズ』はその思い込みを打破してくれています!

 まあ、じっさいにはスクウェア・エニックスだけで作ったソフトじゃないらしいあたり、微妙に「うーん」と思うところはあるのですが、結果が良ければどこが制作していても問題ないとは思う。次の『ドラクエ』ナンバリングタイトルも面白いといいけれどなあ。

 とにかく、1や2の時代から変わっていないなつかしのデザインで登場するモンスターたちを初めとするヴィジュアルは美しく、そして音楽や効果音はいつもの『ドラクエ』そのもの。

 『ドラクエ』ファンにとってはまさに楽園というにふさわしい理想の『ドラクエ』を再現したゲームといっても過言ではないのではないかと思います。

 ちなみにAmazonレビューの平均評価はそれほど高くないけれど、これは一部の荒らしが極端な低評価を付けているせいもあるみたい。おそらくそれを除けばもう少し高い評価が出るでしょう。『ドラクエ』とか『FF』はファンも多いけれどアンチも多いので大変ですね。

 ただまあ、『ドラクエ』が好きじゃない人にとってはそこまで響かない作品であるかもしれず、「とにかくやれ!」とまではいえません。

 とはいえ、『ドラクエ』好きならマストのアイテムなので、少年時代をすぎやまこういちのミュージックと共に過ごした向きには自身をもって推薦できる一作です。コマンド選択型じゃない、アクションRPGになっているからって遊ばないのは損かと。

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 ちなみに、複数の場所で語られている通り、ゲームシステムとしてはタワーディフェンス(拠点防衛ゲーム)に近いものがあります。何らかの拠点を破壊されないように防衛することが主なミッションで、その意味では多少のマンネリ感はただようかも。

 でも、ただ乱暴に剣を振るっているだけではクリアできず、毎回、頭を使わされるところをぼくは評価したい。まあ、悪く見れば中途半端、よく見れば最高のマリアージュということになるのでしょうね。

 当然、ぼくは高く評価する立場だけれど、低評価を付けるひとの気持ちもわからないではありません。ただ、この出来で低評価付けられるようならもう何をどうしてもダメなんじゃないかとは思う。

 それにしても、あらためて現在のゲームの水準で映像にされてみると、鳥山明のキャラクターデザインがいかに優れているかがわかります。

 今回、鳥山さんがどのくらい関わっているのか、いないのかはわからないけれど、初期『ドラクエ』のモンスターデザインを手がけたのが鳥山さんであることは間違いないはずで、その意味でやはりこのシリーズはかれの天才の上に成り立っているのだな、と思わせられます。

 当然、いまどきのゲームとしてただムービーが美しいだけでなく、プレイ画面も迫力に満ちています。

 プレイする前はどんなものかなと思っていたんだけれど、じっさい見ているとPS3版でも映像は十分にきれいですね。まあ、PS4版はもっときれいなんだろうけれど、そこまでの差はないと見た。

 『無双』シリーズほど極端ではないかもしれないけれど、無限に襲いかかってくるかにすら思えるモンスターの波、波、波は「うーん、現在のゲーム機のスペックって凄いのね」とあらためて思わせられる素晴らしさ。

 冒頭からいきなり派手な必殺技が使えるあたりも個人的には満足。序盤、プレオープニングテーマの段階で、既にドラゴンが登場したのにはちょっと驚きました。

 しかもこいつがけっこう強い。何も考えずに突っ込んでいくとあっというまに死んでしまいます。まあ、ドラゴンだからね……。ドラゴンはひとが殺せないからドラゴンなんだって『ベルセルク』でもいっていたし。

 そのほかにも非常に「わかっている度」が非常に高いシーンが数多く見受けられます。そうそう、これこれ、こういうのが見たかったんだよ!とツボを抑えた演出の数々に歓喜が止まりません。

 まあ、まだクリアしていないのでクリア後の評価はどうなるかはわからないけれど、ぼくとしては買ったことを後悔はしていません。いやー、こうでないとね!

 なかでもアリーナ姫(と、クリフト)の登場シーンはもうニヤニヤしてしまう素晴らしさ。そうそう、アリーナってこういう子だよね!と、何十年前に作り上げたイメージが上書きされる楽しさに酔いしれました。

 ちなみに今回、ブライは出て来ないようなのでアリーナとクリフトはふたり旅をしているのですが、クリフトにとっては残念なことにふたりだけの日々はあっというまに終わってしまいます。可哀想なクリフト。

 この先にはビアンカやフローラはもちろん、ピサロとかも出て来るらしいので楽しみにしたいところです。ムーンブルクの王女とか出て来ないものだろうか。それはさすがに無理かなー。

 さて、記事更新はこれくらいにして、ゲームに戻りたいと思います。ひさしぶりにぼくは『ドラクエ』が大好きなんだな、と思いだしているところです。

 かつて夢幻のアレフガルドや、勇者ロトの伝説にふれてきた人間にとっては、これは素晴らしいゲームです。最後までクリアしたらもういちど感想を書きたいと思います。いざ、ふたたび夢のなかへ。

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