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『グラゼニ』感想。「才能をお金に変える努力は正しい。」

 プロ野球漫画『グラゼニ』でメジャーリーグが視野に入って来ました。面白いです。

 タイトルの「グラゼニ」とは、「グラウンドにはゼニが埋まっている」の意味で、お金にこだわるこの漫画の本質を的確に表しています。

 そう、この作品では「夢」とか「友情」といったふわふわした概念だけではなく、「お金」という具体的なものがテーマになっているのです。

 そういう意味で異色の野球漫画と云っていいでしょう。いささか玄人向けといった雰囲気はありますが、スポーツが好きなひとなら楽しめる漫画だと思います。絵柄は好みが分かれるところでしょうけれどね。

 この『グラゼニ』を読んでいると、「才能をお金に変えること」の意味について考えさせられます。

 プロ野球といえば何十万人もの球児たちの夢の世界であるわけですが、じっさいにはそこは何かしらの「ゴール」などではありません。

 その年、どれだけ活躍することができたかがシビアに収入に反映されていく、ひとつの「戦場」なのです。

 そこではひとの能力は「カネ」によって測られ、力があるひととないひとの間は何十倍もの収入格差が生じます。

 それだけではありません。その実力が「プロに値せず」とみなされたひとは首を切られて球界を去らなければならなくなるのです。

 そこでは年齢や経験は何の意味も持ちません。能力至上主義がはびこる非情な実力社会と云っていいでしょう。

 そういう世界でなお、「お金じゃなく夢のためにがんばる」と云えれば美しいわけですが、しかしそれは非現実的な態度です。

 何億円ものお金を稼ぎだすほんとうのトッププレイヤーともなればべつかもしれませんが、大半の選手は自分の収入のアップダウンを常に考えずにはいられないでしょう。

 そこでは一般的なサラリーマン社会とはまったく異なるロジックが通用しているのです。

 これは、もちろん、プロ野球以外でも、「実力でカネを稼ぐ」世界においてはすべて同じことです。云ってしまえば、ブロマガもまたそうです。

 ホリエモンとぼくのブロマガでは何十倍という利益の格差があるわけですが、それはまさに実力によってそうなっているだけのこと、だれを恨みようもありません。

 ブロマガでは「査定」といった概念も存在せず、増えた会員の数がそのまま収入に直結しているわけですから、ある意味、プロスポーツよりもさらにわかりやすい世界とすら云えるかもしれません。

 条件は(とりあえず著名人枠なら)全員平等です。いくらのお金を取るか、どれくらいの頻度で更新するかもすべて各人の自由に任されています。

 その上で、はたして読んでもらえるかどうか、お金を払ってもらえるかどうか、それはすべてそのひとの人気とか筆力によって決まってくるということ。

 恐ろしいほど純粋に実力がそのままお金になっていくわけです。ぼくはこのわかりやすさが好きなのですが、耐えられないと思うひともいるでしょうね。

 その気持ちはよくわかります。この業界、何もかもが文字通りの「自己責任」ですから。

 ここにはがんばったら結果が出るという保証など何もありません。どんなに真剣に努力していても内容がつまらなければ読者はお金を払ってくれないでしょう。

 逆に、たいして苦労もしていなくても、生まれつき才能があっておもしろいのを書けるひともいるかもしれず、そういうひとは次々と結果を出して成功するに違いありません。

 ここでは「結果」がすべてであり、「過程」は問われません。どれだけ努力したかということはどうでも良く、どの程度のものを書けたかだけが問題となるのです。

 高収入を得ているひとを「あんなのたいしたことないさ」と云うひとはいるでしょう。
しかし、そのひとに同じことができるわけではありません。

 それはぼくたちがプロ野球選手のプレイを見て、「なんであの程度の球を打てないんだ」と云うのと同じこと。あくまで対岸の出来事であるからこそ、口先で簡単に批判することができるのです。云うは易し。行うは難し。

 『グラゼニ』の主人公は、どこまでもお金にこだわってプロ生活を続けています。

 プロとしては特別に才能に恵まれているわけでもないように見えるかれは、いまのところ、必ずしも超高額の収入を得ているわけではありません。

 しかし、それでも少しでもたくさんの収入を得られるようがんばりつづけるのです。その努力はあまりに正しい。

 「お金のためにがんばる」ということを、醜いとか汚いと考えるひとは何かを履き違えているのでしょう。

 お金はそのひとの才能が評価されたことの証拠です。たしかに高収入を得ているひとだけが偉いひとというわけではありませんが、やはり高い収入を得ているひとはそれだけのスキルを持っているんですよ。

 それはフェアに戦って勝ち取ったお金であるかぎり、何ら恥じるべきものではありません。戦って戦って戦って、そしてお金を勝ち取る。それはまったくもって正当で尊敬に値することです。

 「お金じゃない」という意見も、一面では正しい。たしかにお金じゃないところもある。しかし、だからお金が重要じゃないということにはなりません。

 才能をお金に変えること。それはこの資本主義社会において、最も正しい生き方と云えるでしょう。マネーこそはそのひとが得た評価。ぼくももうちょっとがんばらないとね……。

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